山形ヴァンダジェ その2

山形のワイナリーの中でも特に私が好きなのは、ここ酒井ワイナリーです。

 

生真面目な長男一平ちゃん(と日本ワインの造り手さんの間では親しみを込めて呼ばれている)が造るワインはどれも山形らしさ全開かつ上質ですが、なかでもこの鳥上坂シリーズの名子山、狸沢、そして今回初めてお目見えした鳥上坂番外編自然発酵はいずれも素晴らしい日本のワインのひとつです。

 

今回試飲にお目見えしたのは、

近年では良いヴィンテージだったと言われる2012年のもの。

 

この年もとても暑い年だったので、

どちらかと言えばパワフルなスタイルを予想していたのですが、

意外と優しい質感とタンニンだと感じました。

以前2010年などはリリース当初かなりがっしりとしたタンニンを感じたものですが、それよりもしなやかなテクスチャーです。

これからどのような熟成を重ねるのか、楽しみですね。

 

酒井ワイナリーさんは「酒井ワイナリー瓦版鳥上坂」を季節ごとに出しているのですが、これがなかなかいい感じ。

農作業に羊の世話に(酒井ワイナリーさんは循環型農業を目指し、羊を飼っています)ワイン醸造にと、それは大変な仕事量だと思うのですが、

この瓦版にはどこかのんびりとした雰囲気が漂っているのです。

そういえば一平ちゃんや、一緒にワイン造りに携わるお姉さんも(特にお姉さん。。。)同じくどこかのんびりとした大らかな雰囲気を持っています。

 

だからワインもギスギスした味わいにならないのでしょうね。

 

この瓦版、いつも裏表紙に「かあちゃんからの手紙」と題して、

ご姉弟のお母様の文章が載っています。

A4サイズくらいに手書きでみっしりと。

 

これがまた大らかでほのぼのしていて、

いつも心地よい気分にさせてくれるのですが

今回も文末に良い言葉が。

 

「夜は考えごとをせず早く寝ましょう。

面倒なことは朝陽の中で考えましょう」

 

気持ちをふっと軽くしてれる言葉ですね。

 

それは酒井ワイナリーさんのワインを飲んだ時にも

感じるそれと似ています。