次のシャトーは、
シャトー・ルーヴィエール。
ペサック・レオニャンのシャトーです。
こちらではシャトー見学だけでなくランチもあるので、期待と不安が入り混じります。シャトーでのお食事、併設レストランというスタイルではないのは初めてですし。。。
ちなみにこのシャトーの近くにはシャトー・カルボニューがあり、
日本ではこちらの白ワインをよく目にしますね。
さて、こちらのシャトーではまず入り口で英語チームとフランス語チームに分けられました。
そしてそれぞれにガイドがついて、互いに逆ルートから廻っていく感じでツアー開始です。効率的ですね。
こちらもいつもガイドさんが息も絶え絶えに英語とフランス語を話し続けているのは、なんとなく心苦しくて・・・
(なんて思うのは日本人だけかも。。。)
こちらでは熟成中のワインのテイスティングをさせてもらえました。
全て出来立ての2013年。
まずはセミヨンが新樽のものと、そうでないものを。
次に同じくソーヴィニヨン・ブランを。
やはり同じように新樽のものとそうでないものを
これらは熟成後ブレンドされるのですが、その前の状態を試飲しましょう、という趣向。やはり新樽のもののほうが骨格がしっかりとしているのがよく判ります。そしてそうでないものの方が酸がくっきりとしていてフレッシュさを感じます。同じ条件で瓶詰め前に比較できる事はなかなかありませんから、勉強になりますね。
こちらのシャトーでは新樽比率は2%前後だそうですので、
決して新樽を強調したワインではありません。
皆で「ふ~ん」と感心したあとは、
お楽しみのランチタイムです。
大きな宴会場に10名掛け程度の丸テーブルが6つ。
「えっ、えっ、どこに座ろう。。。」
まずフランス人チームが会場奥のテーブルになんとなく陣取り、
我々英語チームが遠慮がちに戸口の方に固まっている感じ。
「とりあえず、出口に近い下座の方がいいかな。。」
なんて、後から考えれば非常に日本的な発想でしたが、
この時はテンパッているのでまさかあんなことになるとは。
一番出口に近いテーブルのなかでも、
一番出口よりの椅子に私は着席。
このテーブルは多国籍で占められ、
他のメンバーはイタリアの老ムッシュウ三人組。
アメリカ人のご夫婦。
ベルギーから来た三人組。
そして本日のアジア代表私。
その私の右隣が、あれ?椅子がない。。?
と思っていたら、なんとそこには本日ガイドをしていてくださった広報担当のマダムが椅子とともに登場してイン。
「では皆様、本日は私共のシャトーにお越し下さり誠に有難うございました。」と滔々と挨拶が始まりました。
隣にシャトーのマダム。。。
ラッキーですが緊張仕切りです。
さて食事が始まり、
マダムが同じテーブルのメンバーのそれぞれの言語を確認して、
目を回しそうな仕草をしながら
「OK、頑張るわ」
それにしても、こういった時の
海外の方のホステスぶりには色々と感心させられます。
皆に話題を提供し(その度に言語も考慮して)場を盛り上げて、
それぞれのワイングラスやお皿の状況も確認して必要あらばホールスタッフを呼び、しかしそれをとてもリラックスした面持ちでやってのけるのです。楽しそうに。
メニューは
ホタテのタルタル、ピスタチオのオイルとシトロンのタラマ添え
カレ・ダニョー春野菜のペースト
チーズの盛り合わせ(ブリー、ブレビ・ド・ピレネー、ロックフォール)
フランボワーズとレモンのデザート
ワインは白の2006と赤が2006と2001のマグナム
そしてデザートワイン2006です。
それにしても面白かったのは、このマダム、
「私は赤ワインはあまり好きではなくて白ワインが好きなの」
と赤ワインは最初のボトルチェック以外一口も飲まず、
ずっと白ワインで通していました。その潔さがなんとも新鮮で。
普通仕事柄なんとなく気を使ってそんなことは口にしなかったりしそうではないですか?
ワインに気負うことなく、自分の好きなように楽しんでいることが伝わってきます。
そう、楽しむことが大切なのですが、ついついワインをマナーや体裁で取り繕ってしまいがちではないでしょうか。
こんなこと言ったら馬鹿にされるかも、とか
こんなこと言ったら判ってないと思われるかも、とか。
そんなことに気を使うよりも、
周囲に気を配り、そのテーブルが楽しい時間が過ごせることに力を入れているマダムの姿勢は、とても爽やかで素敵でした。
ワインのこと、ではないかもしれませんが、
とても勉強させていただいたひととき、マダムに感謝です。
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