チョコレートとフランスのワイン

先週末に開催したアンサンブル・ドゥ初のイベント講座「チョコレートとフランスワイン」にご参加くださった皆様、寒い中お越し下さりありがとうございました。

 

ワインはチョコレートとは大定番の酒精強化ワイン、バニュルスやリヴザルトの他に、ブルゴーニュとボルドーの赤ワイン、それとローヌのクレレット・ド・ディ・メトード・ディオワーズ・アンセストラルをご用意。なぜボルドーとブルゴーニュかというと、ですが、ボルドーでは赤ワインとともにガトー・オ・ショコラ(チョコレートケーキです)を勧められることが度々あり、メインのお料理の後に残った赤ワインでそのままデザートのチョコレートケーキを頂くその相性をご紹介したかったから。一般的に日本においてフランスワインでお食事のメインに頂く赤ワインとしては、ボルドーとブルゴーニュが双璧でしょうから、ここはブルゴーニュも用意してその違いを試してみましょう、ということでブルゴーニュも。

そして私からのお薦めのクレレット・ド・ディ・メトード・ディオワーズ・アンセストラルです。いや、名前が長いですね。。。

でも、クレレット・ド・ディとしてしまうと、クレレットを使った辛口のスパークリングになってしまうので、ややこしいけれど、ここではミュスカを使った(この日はミュスカとクレレットを使ったもの)甘口に造られるクレレット・ド・ディ・メトード・ディオワーズ・アンセストラルなのです。

 

チョコレートも色々揃えましたよ。

ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ビターチョコレートの三種を。だって、「チョコレートと最高の相性!」なんて謳い文句は目にしますが、どのタイプのチョコレートが良いのか、そこはやはり試してみないと。他にはチョコレート・クッキー、ガトー・オ・ショコラ、チョコレートブラウニーのフランボワーズとクルミ、チョコレートフィナンシェ。

う〜ん、書いているだけで太りそうですが。

 

さて、バニュルスは1994年のもの、リヴザルトは1987年のものでした。

いずれも赤でローヌの有名な造り手、シャプティエのワインです。

甘口、甘口と言われますが、甘みだけでなく、腰の座ったタンニンや鋼のような酸もあるため、べったりした甘さにはならず、するすると飲めてしまいます。(しかしアルコール度数は16度、危険です。。。)参加された方からも「なんだかよくある白の甘口ワインよりも、逆に飲みやすい甘さな気がします」なんて声も出ていました。なるほど、面白いですね。ビターチョコレートやガトー・オ・ショコラなどとは、文句なしの相性でした。

それにしても、なかなか熟成したバニュルスやリヴザルトを頂く機会は無いのですが、バニュルスやリヴザルトというのは非常に頑丈な酸を持っていることが良く判ります。だからこそ、甘さや豊潤な果実味とのバランスがとれたワインになるのでしょうね。酸いも甘いも、そして苦味(タンニンも)も・・・大人のワインですね、これは。

 

ご参加頂いた皆様に大好評だったのはボルドー赤との組み合わせでした。

甘くほろ苦いガトー・オ・ショコラと果実味とタンニンが豊かなボルドーワインは、ランチの後のデザートにでもオッケーなすっきりとした相性の良さがあります。デザートワインとデザートのまったり、ゆったりとした雰囲気というよりも、もっと歯切れのよい相性という感じ。

メインの食事からそのままワインを変えずにデザートまで楽しめる、というお得感(?)もあるのかもしれません。

そして反対にブルゴーニュの赤ワインだと、どうしても酸が目立ってしまうようでした。ワイン自体はとても美味しいのですが、チョコレートと合わせると酸が目立ってしまったり、カカオの風味に負けてしまったり。。

どこかにチョコレートにもばっちりなブルゴーニュの赤ワインが、もちろんあるかもしれないのですが、この日の相性ではちょっと苦戦。

 

そして、意外に万能選手かも!と好評だったのはクレレット・ド・ディ・メトード・ディオワーズ・アンセストラル。

このワインが造られている村の近くにはグノーブルというクルミの産地がありますから、現地ではクルミ入りのお菓子と一緒に楽しまれていると伺ったことがあるので、敢えてクルミ入りのブラウニーも用意した次第です。(こんな感じで、どんどんチョコレートの種類が増えたわけです。。。)

甘口ではありますが、泡もあるので重くなりません。良く冷やして、休日のおやつのひとときなどにはぴったりではないでしょうか。

 

では皆様良いバレンタインをお過ごしくださいませ。