山辺ワイナリー

長良ワインさんを訪れたその日の夕方、名古屋経由で松本に入り翌日は山辺ワイナリーさんにおじゃましました。

こちらのワインはサンセミヨンというちょっと変わった品種で造られるワインが特徴で、そちらは都内でも頂いたことがあったのですが、近年シャルドネの品質が向上したこと、あと、そのサンセミヨンを使って造られた日本では珍しいヴァン・ド・パイユ(ぶどう藁の上に置いて陰干しし、糖度を高めてから醸造するする方法)があるとのことで、興味があったのです。最寄り駅は松本駅で、そこから地元の路線バスに乗り15分程度でぶどう畑が周囲に広がるワイナリーに到着します。遠くにアルプスの山々が望めて、空気も清々しいところ。標高は意外と高めで600〜700m。昼夜の寒暖差がある、という点でワイン用ぶどう栽培には向いていると言えます。昨今ますます昼夜の寒暖差がなくなってきた、との話は神戸、京都、滋賀、そしてこの後訪れた山梨でも耳にしていますが、長野県のアルプスに近いエリアはまだ恵まれているのでしょう。

 

売店には造られているラインナップの大半が自分で試飲出来るように置いてあります。早速色々と試しましたが、なるほど、シャルドネの品質の良さ、そしてそのコストパフォーマンスの良さには驚かされました。樽発酵と樽熟成があり、樽発酵の方は風味に甘みがやや目立つスタイル。私は樽熟成の方が好みでしたが、これは好みで分かれるところでしょう。

そして待望のサンセミヨンで造られる甘口ワイン、ヴァン・ド・ソレイユ・サンセミヨンですが(ちなみにこの名称は商標登録されたそうです。「太陽のワイン」良い名前ですよね。)こちらは試飲ではなくレストランでグラス売りされています。これは、、、甘口が嫌いでなければ誰もが無条件に美味しいワインではないでしょうか。酸味もちゃんとあり、ダレた味わいではないですよ。正直、私はこのワイナリーにおいてはスティルワインのサンセミヨンよりもこちらの方が良いのではないかと思います。スティルの方は、なんというか、焦点が定まらないような、香りも味わいも曖昧な気がするのです。ヴァン・ド・ソレイユはお値段は3100円とやや張りますが、そもそもヴァン・ド・パイユは手間のかかる製法ですから、フランスでもちょっと高価なワイン。ワインが好きで飲み慣れている方でも、この味わいと価格、そして日本で造られていることには驚かれるような気がします。

 

もうひとつ。レストランが併設されおり、この日は写真の鹿肉のラグースパゲッティを注文したのですが、これがかなり美味しかった。

こういってはなんですが、期待以上に洗練された味でした。

いや、一見カジュアルな食堂的、どこかの社食のような小さっぱりとしたフロアなので。。。

しかしスタッフのお兄さんも質問にも丁寧に答えて下さり、ワインのサーヴも予想以上にスマート。そうそう、グラスワインが良い品揃えなのですが、どれも一杯300円とか400円とか。なので、そんなに量はないかも、と高をくくっていくつも注文したら、写真の通りしっかりとした量を注いでくれました。それだけで酒飲み的にごきげんです。(ちなみにヴァン・ド・ソレイユ・サンセミヨンだけは500円?600円?と他と比べ少し高価です。)


平日にもかかわらず、売店にもレストランにも絶えずお客様がいらしているあたり、しっかり地元のワイナリーなんだなあ、と。それでも今の季節はまだ空いている方で、季節になると大型バスで訪れるお客様が大勢いらっしゃるそうですから、もしワイナリーを訪れるご予定で、レストランでのお食事は外せない、と考えるなら予約をするのがお薦めです。