アンサンブル・ワイン・トリップ〜勝沼・塩山〜

7月4日、いつもセミナーにご参加くださっている皆様と山梨に。

あいにくのお天気続きの昨今ですが、さほど大きな雨に降られることもなく、曇時々小雨の空の下楽しんでまいりました。今年は急に猛暑となったゴールデンウィークで、一気に生育ステージが進み開花。しかしその後は涼しく雨の多い天候が続いており、場所によっては花振るいが出たようです。それでも現在、だいたい二週間くらい早い生育スピードになっているとか。今後夏の天候によって、ぶどうの質が決まっていきます。楽しみなような、心配のような。近年お天気が安定しませんしね。

 

今回お邪魔したワイナリーは塩山にある奥野田ワイナリーさんと、勝沼にあるくらむぼんワインさん。比較的新しく、またワインの味わいもモダンで、常に新しいことに挑戦されている奥野田ワイナリーさんと、ワイン造りの長い歴史をもち、今も昔ながらの甘口甲州やアジロンやピオーネなどによるワインも造りつつ、しかし海外の輸出も始めるなど伝統と革新のバランスを取られるくらむぼんワインさん。タイプの異なるワイナリーの見学は、大変興味深いものだったのではないでしょうか。

 

奥野田ワイナリーさんでは、栽培大好きの細川さんが、とっても熱の入った語り口調でご説明くださいました。今回ワイナリーを訪れたりするのは初めて、という方も多かったのですが、このように丁寧に判りやすくご説明してくださるワイナリーに最初に訪問出来ると、今後のワイナリー巡りの良いスタートを切れるのではないでしょうか。

オーナーの奥様がお料理上手なこともあるのでしょう、各ワインに合わせたオススメのお料理のプレゼンテーションがお見事。オクノタ・ルージュと鯖、フロレット・ロゼとウオッシュチーズ、など、試したくなる組み合わせが目白押しで、「試してみたい!」と、ワインを購入された方も多くいらしたほどです。

 

くらむぼんワインさんでは、ご当主の野沢たかひこさんが畑、醸造所とご案内くださり、最後は母屋でテイスティングを。この母屋でのテイスティングには何度かおじゃましていますが、、いつも野沢さんは奥の正面の席で静かにワインを開け、説明をしながら(決して何かを声高に主張することはなく)皆が楽しんでいる姿を微笑ましげに見ていらっしゃいます。そして質問があれば穏やかに丁寧に答えてくださるその姿は、何年も前からいつもその雰囲気が変わらず印象的です。この方はきっと畑でも、醸造所でも、ぶどうやワインの声にこうやって変わらず耳を傾けているんだろうな、と。久しぶりにその姿を拝見し、また改めて良いワイナリーだなぁ、と思いました。印象的だったのはベーリーAで造られるロゼ、ベルアルバマスカット・ベーリーA2013。程よい果実味とすっきりさの絶妙なバランスは、夏に向けてぴったりです。こちらのロゼ、2014年は今のところ造られる予定はないとのことですから、気になる方は今!です。

 

日本のワイナリーの良い所は、なんといっても海外より訪れやすいことで、

栽培や醸造について直接(しかも日本語で)色々とお話が伺えるということですが、しかし、なにより重要なことは、それによって造っている方の人となりに触れることができる事ではないでしょうか。

ワインの味わいというのは、単純に味覚だけで感じているものではなく、そこに付随すること、もちろん誰と、いつ、どのように飲むか、そしてどのようなお料理と飲むかも重要ですが、そのワインの背景、そのワインを生み出している人を知ることによっても。大きな影響を受けるものです。

 

ご参加の皆様お疲れ様でした〜!

もし宜しければ、また一緒にワイナリー巡りしましょうね。

 

写真は奥野田ワイナリーさんの日灼圃場です。