ストラスブールお勧めのレストラン

この間じゃがいもとマンステールのグラタンを食べていたレストランのお話を。お店の名前は「エスカエシェル(S'kaechele)」今回ワイナリーへのドライバー兼通訳をお願いした現地在住の方お勧めだったのですが、とても良いお店でした。お料理の美味しさもさることながら、ホールを取り仕切るマダムのサービスが素敵です。スマートなスタイルに(がっしりどっしり系マダムが多いアルザスでは珍しい?)ジーンズとティシャツに髪を後ろできゅっと束ねて、小気味良く、しかし忙しなくはない動き。

そしてなにより各テーブルに自然な様子で声を掛け、テーブルを明るい雰囲気にしていく様子は見事でした。現地の方にはアルザス語で、ドイツからの観光客にはドイツ語や英語を交えて、そして私にはフランス語と英語を混ぜながら。(「美味しい」は日本語ご存知でした。)調理場はご主人が任されているそうです。お昼のランチに伺った際は優しそうなご年配の女性の方がいらして、どなたかと思えば「私の母なの。」と。家族経営なのです

ね。場所も観光地として混雑する辺りなどからは少し外れて路地裏にあるため、落ちついた雰囲気で楽しめます。もしあなたがストラスブールの街で、ひとりでの食事の場所で悩むときも、言葉が心配な時も、ちょっと旅の疲れが出ている時でも、優しく受け入れてくれるお店だと思います。

 

お料理は伝統的なアルザス料理が手頃な価格で楽しめ、私は滞在中に3回お邪魔しましたがいずれも美味しかったですよ。

写真はフライシュナカというアルザスの伝統料理。パスタ生地のようなものでひき肉を包んだものです。優しい味わいで、添えられたトマトソースがまた絶品!そしてアルザスの伝統料理にしては珍しく(大抵じゃがいもと乳製品の多用さにノックアウトされます)女性にはちょうどよいボリューム感なのです。ただこのお料理、こちらのお店ではグランドメニューではなく、ある日のランチメニューでした。なのでいつもあるとは限らないかもしれませんが、見かけたらぜひお勧めです。


ワインのリストもお手頃なワインが揃い、グラスでも楽しめます。

いずれもマダムのお眼鏡にかなったお値ごろで良質な、日本では見ることのない造り手のワインが並ぶのもまた良い感じです。

私が日本から持参したアルザスの生産者が掲載されている本をマダムに見せると「高級なワイナリーばかりねー。日本に入ってるの?」と聞かれたので、「多くはそうですね。入ってない造り手もありますが。」と答えると、ちょっとびっくりされた様子でした。

これは滞在中に通訳さんにも聞かれたのですが、「なぜ日本ではアルザスワインがあまり売られていないのか?」「しかも輸入するのはグラン・クリュクラスの高いワインばかりが、やはり高い有名生産者のワインばかり。アルザスには安くて美味しいワインがたくさんあるのに、なぜ皆さん輸入しないのですか?」と。

私はインポーターではないので、答えとして的確かは判りませんが端的に言えば、「利益にならないから。」でしょう。

ではなぜ利益にならないかは。。。これはなかなか大事な考察だと思います。しかしこれを書き始めると長くなるので、又の機会に。