アルザスの白ワインとタルトフランベを楽しむ会

今月のイベント講座はアルザスの代表的な白ぶどう品種をタルトフランベと共に楽しむ会でした。


日本でアルザス・ワインというと、とにもかくにもリースリングで、次いでゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリくらいまではなんとか見かけるような、ご存じの方もいらっしゃるような、という感じですが、本当は他にも多彩かつ魅力的な品種が目白押しです。今回は1リットル瓶のエデルツヴィッカー他、シルヴァネール、ミュスカ、ピノ・ブラン、ピノ・グリ、リースリング、そしてゲヴェルツトラミネールの辛口と甘口をご用意しました。

一通り皆さんに試飲頂いたあと、どの品種が気に入ったかを伺うとリースリング!ピノ・グリ!ゲヴェルツトラミネールやミュスカ!というように、皆さんお好みは分かれたのですが、興味深いのは「でもシルヴァネールって地味だけど、料理と合わせるとなんでも合うし、なんだか良いよねー。」「なんか目立たないけどいい人みたいな感じ。」という感じで、シルヴァネール好印象が満場一致だったこと。実はこの日、真っ先にボトルが空になったのは、意外にも?シルヴァネールでした。最初口にした時は、皆さん「とにかくすっきり。」「酸がしっかり。」「なんか地味?」「よく判らない。」。そう、シルヴァネールはアルザスの他の白ぶどう品種のような個性のある香りや強い味わいがあまり感じられないので、一見地味でとりとめなく感じるのですが、良い造り手のものであれば、そのシンプルでありながらの繊細さ、しなやかで色々なものを受け止める品の良さは、まさしく食事のためのワインとなります。そして強い個性がないがゆえに、飲み疲れずにするする楽しめてしまうのです。一般的にワインというのはどうしても強い個性をもつものほど解りやすいく、そのことを良いと感じてしまいやすいため評価が高くなりがちですが、ワインの良さというのは強さだけではありません。

ある程度の人数が集まり、何かを食べたりつまんだりしているときに真っ先になくなるワイン、というのがいつもあるのですが、それは決して強いスタイルのワインでないことが多いのです。


タルト・フランベはベーシックなベーコンと玉ねぎのものとアルザスを代表するウオッシュタイプのチーズ、マンステールを乗せたものと2種類ご用意しました。皆様お腹いっぱい楽しんで頂けましたでしょうか。