パリのレストラン2〜シェ・ラミ・ルイ〜

こちらも老舗ビストロのひとつ、

そして多くの伝説をもつシェ・ラミ・ルイ。かねてから伺いたかったお店でした。創業者にまつわる話、かつて多くの著名人が常連に名を連ねたこと、ジビエ料理では右にでるビストロがないであろうこと、いずれの肉料理も見事なボリュームと味わいで、そして価格もビストロにしては「見事な」こと。厚切りのフォアグラが名物であること、未だに昔ながらの趣が残る店内。。。どきどきしながら訪れました。

感想?ブラボー!なんて男前な店でしょう!

お店の佇まい、ギャルソンたちのサービス、そしてお料理、その全ての格好良さに、思い返しては未だにぼーっとしているのでした。

 

まずお料理が男前です。量は噂通り、ワンプレート2〜3名でシェア出来るボリュームです。フォアグラはワンプレートで3切れ。しかしよく見るようなフォアグラのスライスではないですよ。見たこと無いような厚切りかつ大きさなのです。そしてそれと一緒にいかだのように積み重ねられた、炭火焼きのパンが登場します。香ばしい熱々のパンにフォアグラの塊を贅沢にのっけて、がぶり!そして注文したブルゴーニュの赤ワインをごくり!至福。。。

フォアグラは変な重さやくどさが全く無く、最初はその大きさに驚いたはずが、美味しい美味しいとパンと一緒にパクパク食べてしまい、あっという間にお皿から消えてしまいました。その間に大きなガラスのボウル、そう、そこにお湯を張って顔を洗えるほどの、に山盛りに盛りつけられたグリーンサラダがテーブルにドン!3名でも驚く量です。それに目を丸くしていると、お待ちかねメインディッシュのプーレ・ロティが焼き上がります。もちろん鶏丸々一羽分が、香ばしく、しかししっとりと焼き上がり、まずは切り分ける前にお皿を持ってきてくれ、一同その大きさや迫力に思わずため息。再度かットしてそれぞれに取り分けてくれます。こちらも3人でシェアして十分な量。そして付け合せの山のように積み上げられたフリットには驚きで開いた口がしばしふさがらず。。。ともあれ、私は今までフランスで食べたプーレ・ロティのなかで、そんなに多くの経験はないですが、しかし迷わずここにナンバーワンをつけます。夢のように美味しいフォアグラとプーレ・ロティでした。今でも反芻してはため息。。。

 

そしてギャルソンのサービスが素敵。

こじんまりとした店内には多すぎるかと思う人数のギャルソンたちは

年齢こそは老いも若きも様々ですが、皆さん、基本的に強面。

にこりともしないのです。最初は。

更にみなさん大柄で恰幅が良いので、なおのこと貫禄があることあること。

でも、冷たい感じや、見下した感じは全く受けないのです。それも見事。

そして食事が進むにつれてだんだんと優しい。

こちらのことを気にかけてくれているのがよく判りますし、料理の写真を撮っていたら、みなさんを撮りましょうか?と、強面のまま、しかしどことなくユーモアたっぷりに撮影してくれたり、他のテーブルに運ぶ大きな肉の塊を、テーブルの脇を通り過ぎるときに、わざとすっとお皿を下げてくれて見せてくれたり。そして帰るときには笑顔で見送ってくれました。

 

なかなかないと思うのです、このようなサービスが出来る大人のお店は。

最初から誰にでも同じように上っ面だけのサービスをするわけではなく、

へつらうわけでもなく、媚びるわけでもなく、へりくだることもなく、しかし変に気取ることもなく、偉そうでもなく、見下すこともなく、もちろん冷たいわけでもなく。食事の場を通して人となりを見ながら、相応に接していく、というのでしょうか。

 

 そうそう、肝心の?ワインですが、こちらもなかなか見事なお値段です。

一番安い辺りで、クリュ・ボージョレやオート・コート・ド・ニュイやボーヌの55€〜60€辺りですから。200€、300€なんてごろごろ、なんと2000€や3000€も。。。でも個人的には、気取って高価なワインを開ける、というよりはクリュ・ボージョレやオート・コートなんかをぐびぐびっと飲みながら楽しむのが似合うようなお店、な気がするのですが、これはまあ、負け惜しみかも?

 

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コメント: 2
  • #1

    Carnet1110 (日曜日, 09 4月 2017 23:48)

    お店の雰囲気が良く伝わって来ます。パリに行く度に訪れなかった事を悔やんでます。次回こそ!

  • #2

    ENSEMBLE WINE (月曜日, 10 4月 2017 21:58)

    Carnet1110さま
    コメントありがとうございます。
    この日から何度か訪れましたが、いつでもたっぷりと心地よい満足感を味わえるお店です。
    しかし平均的日本人の胃袋をもってすると、とても2名程度では(量的に)太刀打ち出来ないお店ではないでしょうか(^_^;)
    ぜひたくさん食べる方とご一緒に訪れてくださいね。