うってかわって今度は東北は青森に。そう、かねてよりずっと訪れたかったワイナリーのひとつ、サンマモルワイナリーに行くためです。
青森県下北半島のなかでも北部に位置するサンマモルワイナリーは、
私にとって行きたくてもとにかく遠いワイナリーでした。
それは単に日本地図における距離的に遠い、というよりも(実際に遠いですが)飛行機(三沢空港)から電車を乗り継いでようやく最寄り駅に着き、
さらにバスで約40分という難路。
電車の本数も多くない、いや、少ないですし。
でもやはりどうしても伺ってみたくて、意を決して行ってまいりました。
まずバス停を降りたものの、ワイナリーらしき建物は全く無く、ワイナリーに電話をして伺うと「バスの進行方向に5分ほど進んで頂ければ。」
で、ようやく見えてきた景色がこちらです。
タンクに下北ワインの文字が。
そしてこのタンクのところを左に入っていくとついにワイナリーです!
ああ、東京から長い道のりでした。。。
道路から建物までまたいい距離があります。正面に車が見える通り、
こんなところテクテク歩いているのは私くらいなものです。
この日はピーカンの晴天で、ジリジリと太陽が照りつけておりました。
ともあれ、ようやくたどり着いたものの、私としてはやはり畑を拝見したかったので、売店の方に畑の場所を伺うと「歩くには距離ありますよ。2キロくらいかと思いますが。。」
いやいや、東京からの距離を考えれば、今更2キロくらいどうということはないっ!ここまで来て畑を見ないで帰るわけにはいきません。
というわけで、畑までの行き方を教えていただきワイナリーを出発。
よしっ!と気合を入れて背中のリュックを背負い直して歩き出すと、
またも力強い日差しがじりじり。うう、ちょっと挫けそう。
ワイナリーのゲート(タンクの所)を出た辺りで「お〜い!!」と後ろから声が。振り返るとワイナリーと道路の中間辺りにある事務所から人が手を振り、「畑に行くのか〜!?」(大声。それくらい距離があるのです)と聞いているので「はーい!」(大声)と答えると
「どこから来たのー!?」「東京でーす!!」
その男性、いったん事務所に戻り戸口から誰かに話しているかと思ったら、振り返りこちらに手招き。
「??」
近づいていくと「畑まで結構あるから。車乗っていきなー。社長が乗せて行ってくれるから。」
「え!?社長!?」\(◎o◎)/!
いやいや、びっくりです。
「いや、そんな事前に予約をして伺ったわけでもないのに申し訳ない!」
と遠慮する私に、
「いや、ほんとに距離ありますし、判りにくいですから。どうぞどうぞ。」
というわけでお言葉に甘えて社長さんにご案内頂く次第となったのでした。
後から聞いた話ですが、こちらの北村社長はとても多忙な方だそうで、
この日夕飯をいただいた居酒屋さんでこの事を話すと
「それは本当にラッキーだったわねー。本当に忙しい方なのよー。」と。
よしっ!ワインの神様がついている!
ともあれ北村社長にご案内いただきながら畑へ。
向かう道すがらのお話。
「ついこの間も横浜からいらしていただいたご夫婦を畑に案内したのですが、その時も途中の路で熊が出まして。みんなで息をひそめて後ずさりして車に逃げ込んだんですよ。最近多いんですよ。だから歩いて向かうのはちょっと危なくて。」
なるほど。これだけ豊かな自然があればそうですよね。
もちろん熊だけでなく、他にも色々な動物が出るようです。
そして畑の上から見渡した景色がこちら。
カメラに収まりきれない両サイドには見渡す限り畑が広がっています。
とにかく広い。予想以上の広さにびっくりです。自社で保有する畑の面積はなんと84haだそうで、写真からも判るようにまだぶどうの樹が植えられていないところもあります。
そしてこの写真からも判るように結構傾斜地なんです。
正面に連なるのが恐山連峰。これが北東からの冷たい風(やませ風と呼ばれるそうです)を遮ってくれるそうです。山の向こう側では寒すぎてぶどうの熟すスピードが遅く、個人的には正直ぶどう栽培は難しいと感じています、とのことでした。
そしてこの場所で後ろに振り返った景色がこちら。
そう、遠くに見えるのは海です。陸奥湾。
畑から海までの距離がこんなにも近いのです。
北村社長いわく、「この場所の条件は青森において特別だと思っています。北からの冷たい風を山により遮られ、陸奥湾の温暖な気候の恩恵も受けることが出来るのです。」
やはり冬が早い地域において、ぶどうがいかに熟すかということが大切なのですね。
コメントをお書きください