TAKIZAWA WINERY

オーナーの滝沢信夫さんは、それまでコーヒー専門店経営というワインとは異なるお仕事をされていましたが、50歳半ば過ぎた頃からワイン造りを目指され、見事ワイナリーまで造られた信念の方です。ニュージーランドに行った際にワインの美味しさに目覚められたそうで、北海道でピノ・ノワールとソーヴィニヨン・ブランを作ってみよう!と思われたとか。なるほど、ピノ・ノワールを造る方はよくブルゴーニュに傾倒されていることが多いのですが、ニュージーランドだったのですね。造られているワインにソーヴィニヨン・ブランがあることに納得です。帰国して、早速ぶどう畑とすべく土地を探し、こちらのワイナリーのちょうど向かいの丘にあるYAMAZAKI WINERYで2年間研修をさせて頂いたそう。ものすごいガッツと行動力です。

凄いですね、と感心する私に「本当にやりたいと思ったら出来ないことってないんですよ。出来ない理由はいくつも思いつきますけどね。」と。

今回の旅で一番心に残っている言葉です。

ワイナリーの前にはすぐ自社畑があり、試飲の後にご案内くださいました。こちらも見ての通り見事な傾斜地で、そして基本的には南向き斜面だそうです。この辺りも海底だった所が隆起して出来た土地だとか。それにしても見渡す限りの自社畑、そしてこのような丘陵地で自然に囲まれ、ほんと、ぶどう栽培に恵まれている環境のように思えますが、やはり冬場の作業は大変なのでしょう。「10月頃になると一面が紅葉して本当にきれいですよ。」と。ああ、それはぜひまた訪れなくては。ワイナリー前のテラスで、こちらのワインと道産のチーズ(持参しても良いでしょうか。伺ってみなくては。)でもつまみながら。紅葉を満喫できたら最高です。緑に囲まれ、ぶどう畑に囲まれ、きれいな空気と風が流れるなかにひっそりと佇む小さなワイナリーは、すっかり私の好きな場所のひとつとなったのでした。