春ワインその1

日本人的には春のワイン=ロゼワインのイメージが強いようですが海外の方にとってロゼは夏のワイン。それでも春=桜のイメージが強い日本では、春=ロゼは当然の流れかもしれません。とはいっても、ロゼならなんでも良いか、というとそういうわけでもないように思えます。色を楽しむだけではなく、ちゃんと味わいもシチュエーションに合うほうが良いですよね。まだまだ肌寒さの残る桜の季節に、あまりきりりっと引き締まった硬質的な味わいのロゼでも寒々しいような気がしますし、すきっとさわやかっ!というタイプも夏には良いかもしれませんが、春の霞がかるようなにじみあるニュアンスには違うような気がします。

この間とあるお店のブランチで頂いたスパークリングワインがこちら、南アフリカのコルマン、キャップ・クラッシック・ブリュット・ロゼ。まだまだ寒さが残る、しかし昼間のポカポカした陽気の中で頂くとちょっと幸せな気分になれます。シャンパーニュのような酸のキツさはなく、滑らかな酸味。厳しさはなく、明るく優しいキャクターです。南アフリカから想像してしまうような暑苦しい味わいでは全くなく、お洒落さも感じるスマートなスタイル。調べてみると造り方はシャンパーニュ方式で、ピノ・ノワール75%シャルドネ25%。リザーブワインを15%使っていたり、ベースワインの15%が樽発酵だったりされていて、決してフレッシュさや気安さだけを売りにしているわけではないことも判ります。しかし価格も二千円台後半ぐらい。

なんといっても味わいに微かな優しい甘みを感じるので、これはいわゆるお花見料理とも合わせやすいのではないでしょうか。

ちらし寿司などとも美味しそうです。